序論/事前準備編 |
Preface |
かつて偉い人は言いました。 「僕は変態じゃないよ! 仮に変態だとしても変態という名の紳士だよ!!」 あ、違った。エロい人だった。 というわけで、 ご存知の通り近年ではHENTAIという言葉も立派に世界進出を果たしまして、 我々日本人はHENTAIという言葉を最高の褒め言葉として受け取るべきであり、 特に美少女に罵って頂けたら我々の業界ではご褒美ですよねと常々考える次第でありますが、 さて、通常は紳士の国といえばイギリスです。英国です。 紳士の国というからにはきっと街を歩けば ジョナサン・ジョースターのような紳士が掃いて捨てるほど転がっているのでしょう。 立てばジェントル 座れば紳士 歩く姿はマジ紳士。 我らがジョンブル、紳士・ウィルバーもきっと英国紳士に違いありません。 紳士さん、マジ紳士。 そんなイギリスの正式名称は グレートブリテン及び北アイルランド連合王国。 連合王国(ユナイテッド・キングダム)という名が示すように、我々がイギリスと呼んでいる国は イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランドの4つの国から構成されます。 王がいて、貴族がいて、爵位があって、紋章院が現存する、中世ファンタジー臭溢れるステキの国。 慢性的厨二病罹患者として放っておける国ではありません。 まぁ、向こうも向こうで日本の事をニンジャ・サムライがセップク・ハラキリな国だと思ってるかもしれませんが。 最近ではアニメ・ヘンタイ・ブッカケかもしれませんが。 まぁ、とにかくそんなワケで。 どこに出しても恥ずかしくない変態紳士を目指す者として、 己のHENTAIを磨くため、今回の旅行を決行する事となりました。 それでは今回の大雑把な旅程を。 ![]() 赤字が計画通りに訪れた目的地。 黄色は一晩泊まるだけだったり、急遽旅程に入れたり、電車やバスの乗り換え場所だったり。 日本からはオランダ・アムステルダムを経由して先ずは最北の目標エディンバラに降り、 その後南下しつつこれらの町を巡って最終的にロンドンから日本へ帰ります。 となればやはり長距離の移動のため、今回も鉄道による移動がメインとなります。 今回私はドイツに続き二度目の海外旅行となりますが、 ドイツでお世話になった便利アイテム「ジャーマンレイルパス」のような鉄道パスは イギリスにはないかと探してみたらありました。 その名前はブリットレイルパス。北アイルランドを除くイギリスのすべての鉄道に乗り放題という素敵パスです。 イギリスは高速列車を特別に区別しておらず特急料金的なものがないので、やはり青春18切符より便利です。 あと、ドイツでは運良く発着時刻・経路検索マッスィイーーーンが駅に設置してあったため、 その存在に気付いてからは時刻表や路線図とにらめっこする必要なく快適な旅をする事ができました。 しかしイギリスにもそんな便利マシーンが置いてあるとは限らない、っていうか多分大抵の国には無いと思います。 そこで、「トーマスクック」を持っていく事にします。 これはドイツで出会った日本人旅行者に教えてもらった時刻表集で、ヨーロッパ全体の鉄道のダイヤが記載された優れモノ。 あとは王道「地球の歩き方」。 まぁ、事前に用意すべき重要アイテムはこんなトコでしょうか。 それから、故郷の友人にイギリスに行くって話したら、 『MANOR HOUSE マナーハウス 英國発 貴族とメイドの90日』というDVDを送ってきてくれました。 これは百年前の英国貴族と使用人の生活を再現した 『エマ』の森薫先生もオススメのドキュメンタリー番組。 そうですよね、 英国といえばメイドですよね! 大事な事を失念していました。 そんなわけでDVDでメイドについて造詣を深めながら 準備を整えていた出国2週間前。 2010年4月14日 アイスランド南部 エイヤフィヤトラヨークトル氷河において大規模な火山噴火が発生。 大量の火山灰が欧州の空路を広域にわたって麻痺させる事件が起きました。 以下黒字はYAHOO!ニュースより転載。 欧州の空港、火山噴火で相次ぎ閉鎖 4月16日1時9分配信 読売新聞 【ロンドン=大内佐紀】アイスランド南部で14日、火山が噴火し、火山灰が欧州各地に広がった。 この影響で15日、英国など各国で、空港の閉鎖や欠航が相次ぎ、 運航ダイヤが大幅に乱れて、空の交通がまひする事態となった。 英国では15日正午(日本時間同日午後8時)から少なくとも16日午前7時(同16日午後3時)まで、 ヒースローなど国内全空港で旅客機の離着陸を全面停止した。 このほか、ノルウェーなどの北欧諸国、オランダ、ベルギー、スイスなどの空港も相次いで閉鎖された。 一方、日本航空によると、日本時間15日夜現在、成田発ロンドン行きとアムステルダム行きの2便が途中で引き返し、 この折り返しとなる成田行き2便が欠航となった。 全日空も、同日の成田発ロンドン行き1便が引き返し、ロンドン発成田行き1便が欠航した。 ってうおおいまたかよ! いや、前回は結局大した騒ぎではなかったようで結局旅に支障は無かったし、ドイツ一ヶ国だけの話でした。 しかし、今回はえらく大規模な話です。 テレビのニュースでも連日報道するような大事件。 パイロットの目視が頼りとなる有視界飛行方式の時代ならば 確かに視界の遮られる悪天候下での飛行はほぼ不可能でした。 しかし現代では目視と計器計測を駆使しつつ 航空管制官からの指示に従う計器飛行方式が主流となっています。 従って、例え視界の開けぬ雲の中であろうとも現代の航空機は問題なく飛行できるのだ。 だが、火山灰となると話は違う。 何故なら火山灰は石英などのガラス質を多く含むからだ。 航空機のジェットエンジンは、 外部から取り込んだ空気に熱エネルギーを与える事で噴流を生み、 この反作用を利用して推力を得る。 火山灰中のガラス質がジェットエンジン内に取り込まれると、 高熱によりガラス質が融解してエンジン内に付着、堆積。 その結果、エンジン後方で冷却用のガス穴が目詰まりを起こし、 過熱を防ぐ為にエンジンが停止するのだそうです。 そんなわけで多くの航空会社が欠航を余儀なくされる中、 今回私が利用するKLMオランダ航空は 復旧に向けて積極的に動いているようです。 欧州の航空便、19日には半数が運航可能に=当局者 4月19日9時41分配信 ロイター 4月18日、欧州の航空便は19日に半数が運航可能になるとの見通しを欧州当局者が明かした。 写真はフランクフルト空港(2010年 ロイター/Johannes Eisele) [ブリュッセル 18日 ロイター] 欧州の当局者は18日、 週明け19日には欧州を離発着する航空便の半数が運航できる見込みであることを明らかにした。 欧州では、アイスランドの火山噴火に伴う火山灰の影響で、 西・南岸部を除いて大半の空港が閉鎖され、空路が4日間まひしている。 多額の損失が出ている空港と航空会社は18日、運航規制の見直しを求めた。 オランダの航空会社KLM<KLMR.PK>はテスト飛行を行い、 欧州上空に火山灰は残っているが安全だと指摘。 18日夜にはアジア方面の商業貨物便を2便運航した。 欧州委員会のカラス運輸担当委員は 「(上空の)火山灰が消えるまで待つことはできない」と述べ、 19日には欧州上空の50%は安全となるとの見通しを示した。 スペインのガリード欧州連合(EU)担当長官は、 19日には航空便の半数が運航できると予測されていると述べた。 欧州の航空交通管制機関であるユーロコントロールによると、 18日に欧州上空を飛行した便はわずか5000便と、通常の2万4000便を大きく下回った。 EU議長国であるスペインは、EU運輸相によるビデオ会議を19日に開催することを呼び掛けた。 日本を発つのは4月29日の予定。 確かに大規模な自然災害でしたが、 19日まで5日間で航空便の運行状態は半数が回復し、 更に10日前の猶予があるのならきっと大丈夫だろう。 この段階で私はそう結論づけて安心したのでした。 その時は、あんなに悲惨な旅行になるとは 夢にも思わなかったのです…※1 |
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※1:だからなにも悲惨な事などありませんでしたって。 |