第1日目
Thursday 29 April, 2010


というわけで、出国日当日。
噴火騒ぎは大体沈静化し、空路もとりあえず正常化しています。よかったよかった。

現在は横浜在住なので、今回は成田空港からの出国になります。
先ずは横浜駅へ向かい、そこから成田エクスプレスで空港に直行です。


成田エクスプレス。ロゴがゼノサーガのデュランダルみたいでSFカッコイイ。

どうでもいいですが、私は毎日通勤中にこうして横浜駅に停車している成田エクスプレスを見ています。
フッ…まさか自分がコレに乗る事になろうとはな…。

実は成田エクスプレスを使わず普通の電車で行っても到着時刻は大して変わらず、
しかもお値段は成田エクスプレスの半額以下になるっぽいのですが、
今回は敢えてゴージャスに行く事にします。
まだ一応社会人って事になってるからね。首の皮つながってるからね。
首の皮一枚を残す見事な業前なのかもしれないけどね。
いや、意味わからないけどね。



成田空港の駅は、第1・第2ターミナルビルの2つがあり、
航空会社によって使用するターミナルビルが違うらしい。
今回私が利用するKLMオランダ航空の場合は第1ターミナルへ行けばよい。


第1ターミナル駅に向かう成田エクスプレスの中、
地球の歩き方を復習したり、妄想したり、うとうとしたりして時間を潰していると
いつの間にか車窓からの景色が田園風景になっているのに気がつきました。

そういえば成田空港って航空券とか見ると東京扱いされてるけど千葉なんだよなぁ。
まるで某ネズミの国ですね。
或いは東京ドイツ村とか。

僕の故郷は岐阜県だけど、
名古屋出身って言い張ってもいいよね!



それからほどなくして成田に到着。
しかしまだまだ時間はたっぷり余ってます。
そんなわけで荷物を預けてチェックインしたら空港内をふらふら徘徊する事に。

真っ先に向かうのは展望台。
成田空港と言えばシティハンターです。
展望台から離陸する飛行機を眺めつつ、
脳内でGet Wildが流れます。

まだ出国もしてないのにエンディングです。


次にふらっとたどり着いたのは国際線出発ロビー。

茶道デモンストレーション。
通りすがりの旅人達に茶菓子と抹茶を振舞ってました。
なるほど、海外にあんまり知れてなさそうな伝統芸能の宣伝(?)を
空港でやるってのは日本を理解してもらうのに効果的かもしれないですね。

と思ったら土産物売り場。

ちょっとマテ。
なんだその勘違いした外人に合わせたセンスは!?
そんなだから外国人の変なニンジャのイメージが消えないんだよっ!


まぁ、某中村さん曰く、
世界人口の三分の一は忍者(※国勢調査調べ)
ですからね。
もはやジャパニーズ・トラディッショナル・ニンジャの方が少数派なのかもしれません。




時間潰しも終わり、搭乗時刻がやってきました。
手荷物のチェックを受けてゲートを通過、
飛行機に乗り込み、自分の席を見つけたところで"それ"に気付き驚愕しました。
座席のひとつひとつにモニターがついていたのです。


モニターの下にはちゃんとテーブルもついている。

 
肘掛けにリモコンがセットされている。
これで操作してモニターで映画やテレビ、音楽にゲームなどを楽しむ事ができ、退屈しそうにありません。

しかし、リモコンがコントローラーなあたりはWiiみたいですが、
方向ボタンにスタート、セレクト、
A、B、X、Yボタンの配置と色、更にLやRまでついていて、
完全にスーファミです。



映画のコンテンツでは2012やアバターのような(その時点で)目新しいものまでありました。
他の映像コンテンツではAチーム(昔のテレビシリーズ。この時点ではまだ映画公開前。)があったのが気になりましたが、
英語なので却下。
せっかくのスーファミコントローラーなので
ひたすら数独、ソリティア、テトリスなどのゲームをやってました。


まぁそんな感じで食う・寝る・ゲームの11時間と11分の後、飛行機は着陸。
そこはオランダ・アムステルダム。今回はここで、一度乗り継ぎをします。
現在、オランダ時刻で19時。しかし外は真昼間のように明るい。
アムステルダムくらいの緯度になると、4月末でもうこんなに白夜的な効果が出てくるもんなのか!

さて、このアムステルダムのスキポール(オランダ語読みでシーポール)空港、
アイスランドの噴火騒ぎのニュースを見ていても、欧州4大空港として
独・フランクフルト、英・ヒースロー、仏・シャルル・ドゴールと並んで扱われていた大空港です。
わかりやすい誘導サインや構造は世界中の旅人から高く評価されているとかなんとか。
ちなみに私はこの中ではフランクフルト空港を使った事があります。(あと今回の帰りにはヒースロー空港を使います)
フランクフルト空港はべつに迷ったりしなかったけど、
やたらでかくて空港内をかなり歩いた記憶があります。

それからこのスキポール空港、
なんと空港内に美術館やカジノがあるという。

あれ、でも名古屋のセントレア空港にも温泉があるとか言ってなかったっけ?
カジノとかそんなに驚く事でもないのかもしれないですね。

 
スキポール空港。確かにバーやカジノ、ミュージアムの誘導サインが。


ところで、オランダと聞いて少し興味があるのはトイレ
オランダといえば、国民の平均身長が最も高い国です。
そのため、日本人だと大人でもちんこが小便器に届かない事があると聞いた覚えがあります。

まぁしかし、スキポール空港の哲学(フィロソフィ)が
「いろいろなお客さんがそれぞれに快適に過ごすことができる場所であること」
だそうなので、そんな変な期待されても困るよ!と言わんばかりの普通の便器で
日本人の私でも問題なく快適に用を足す事ができました。

まぁ、別にオランダを見に来たわけじゃないからいいけど
でも時間もまだ少しあるのでオランダの土産物を見て回ります。


子供の頭くらいありそうな巨大チュッパチャップス。
いや、こんなサイズちゅぱちゅぱできねぇよ。
山崎九郎右衛門でもできねぇよ。



ミッフィーちゃん。
そういえばディック・ブルーナってオランダの作家でした。これはオランダ的ですね。



木彫りの靴に風車の絵が描いてあります。これでもかというくらいにオランダ的ですね。


他にはチューリップとかありましたが、
それもいいけどとりあえず、
オランダ土産にダッチワイフ
売ってないんですか?

※ありません。っていうかありえません。
 そもそもダッチワイフってオランダに対して差別的な意味を込めてついた名前だと聞いた事があります。




と、まぁ、そんな感じで時間もつぶし終えて、イギリス行きの飛行機に乗り込みます。
行き先はイギリスの構成国スコットランドの首都、エディンバラ。
その名の意味するところは「エドウィンの城」。
エディンバラは英語表記で"Edinburgh"と綴ります。
なるほど、よく見るとエディンバラのバラの部分って
ドイツ語の-burg(ブルク)やフランス語の-bourg(ブール)と同種の地名接尾辞だったんですね。
で、エドウィンってだれ?

アムステルダムからは、ほんの1時間程度の飛行でエディンバラに到着。
ここで入国カードを書かされ、入国審査を受けます。

しかし…
地球の歩き方をよく読んでいれば書いてあったのに。
「観光ですか?」「いいえ───戦うために」
なんて映画でもアニメでもよくありそうなモンなのに。


迂闊にもそんな事一切考えておらず、
予備知識なしでいきなり入国審査の質問責め。当然もちろん当たり前に英語。
だってドイツではそんなのなかったんだもん!
圧迫面接とかもうやめて!私のライフは53万よ!(お前、強ぇな。)

孤独なオタクの例に漏れずコミュ障のケがある私ですが、
慌てながらもなんとか質問に答えます。
これでも中学時代は英語が得意科目だったんだ!
とりあえず怪しまれてとっ捕まって何故か懲役200年とか食らったりする事も無く、無事入国を果たします。

空港から街の中心部へはバスで移動します。
このバス、通常10分おきに(夜間は30分おきに)運行されており、ほぼ24時間体制で動いています。
というわけでこのバスの乗車券を購入するのですが、ここで初めてポンドを使います。
イギリスは当然EU加盟国ですが、通貨はユーロではなくポンド。
日本で予め用意したポンド紙幣でチケット代を払い、ポンド硬貨を初めてゲット。
ちなみにこのときの相場は£1=¥130〜140くらい。


通貨に君主のレリーフというのがいかにも王国!って感じで素敵ですよね。
よく見ると発行した時期に応じて女王様が老けてるのがわかります。

そういえばヴァチカンで発行されるユーロは今、魔王様のレリーフなんだよなぁ。
でも殆ど市場に出回らなくて、記念コインみたいな扱いなんだそうで。
なんだか二千円札みたいだね!


バスに揺られていて、なんとなく乗車券を観察していると、ふと気付いた事があります。
今、腕時計の時針は21時台を指しています。
これはエディンバラ行きの飛行機内でセットしたグリニッジ標準時刻のはずでした。
しかし、ついさっき買ったばかりの乗車券に印字された時刻は22時07分。
み…未来……だと!?

はっ、相対性理論によれば
高速で運動する系に流れる時間は系の外に対して遅く…なワケあるか。

発券機か腕時計の故障…は多分ないと思うので、
考えられる可能性はあと一つ。

まさか…これがサマータイムってやつか!

オランダの19時の明るさを見ていたので、そこに思い至るのは容易でした。
地球の歩き方で調べてみたら、やはりサマータイムは3月最終日から始まっていました。
( 0M0)<ヤハリソウイウコトカ!!
つまり、考えていた予定から1時間が消失した形になるのです。
時間を無駄にしたとか、予定が遅延したとか、
何かをしていて時間が無くなるのではなくて、マジ消失。

旅程の最初と最後の宿は既に日本で(1ヶ月前から)予約してありますが、
到着があんまり遅くなると、勝手に予約がキャンセルされたりしないだろうか?
そもそも受け付けしてくれないんじゃないだろうか?

まさか宿に着くのと日付が変わるのとどちらが早いか、
なんて事態は想定していませんでした。



さて、前述の通り今夜の宿は既に予約済みですが、
今回の旅行でもなるべくユースホステルを使っていく予定です。
リーマンになって金銭感覚が緩んできたと言っても、人見知りでコミュ障だとしても、
安いのはジャスティスです。ジャスティス極まりないのです。

そんなわけでバスを降りてさっそくユースホステルを探します。
しかしここで持ち前の方向音痴スキルが発動、早くもロストマイウェイです。

だが、私とて旅人のはしくれ、
前回のドイツ旅行から学んだ私は、こんなものを用意してきたのだ。

(キコキコキコーン) 方位磁針〜!

声優が一新してから殆ど見ていないのに、
もはや大山のぶ代ボイスが思い出せない…
水田わさび、恐るべし。


そんなこんなで
半ばジョークで持ってきたハズの方位磁針が予想外に大活躍して、
無事、日付が変わる前にユースホステルに辿り着き、寝床を確保する事に成功しました。
あとは特にする事もないし、旅人的にはもう遅い時間なので速攻で寝ます。
飛行機でも結構寝たけれど、ちゃんとしたベッドでの睡眠はまた別腹なのでした。