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      そんなわけで今度こそストに会うのかと思って駅へ行ってみたが、 
別にそんな事はなかった! 
 
 
  
駅の階段には荷物用のベルトコンベアが付いてたりする。 
 
 昨晩、同郷の彼にヨーロッパの鉄道の時刻表「Thomas Cook」を見せてもらっていたが、 
調べたのより早く今日の目的地に行ける列車があったのでソイツに乗る。 
さあ、そんなわけで今日はゾーリンゲン。(脳内BGM:世界の車窓から) 
刃物の町で有名なゾーリンゲンだが、そのスジの人達からは「刃物の3S」の一つとして知られている。 
あとの二つはイギリスのシェフィールドと、日本の関である。 
岐阜県関市は地元の隣の隣ぐらいに位置する町で、毎年10月の刃物祭りは僕もたまに見に行く。 
次はそのうちシェフィールドへ行きたいものだ。 
 
 
  
ゾーリンゲンの町。 
月曜日なので店はちゃんと出ている。 
 
 
しばらく町を散策。 
ちょっと歩けばやはり教会が見つかる。 
うんうん、キリスト教世界だなぁ。 
 
  
      ゾーリンゲンの教会。むりやり写真をつなげてみた。 
 
 教会のとなりには公園があった。 
全体的に日本と大差無く、普通に砂場があって、普通にすべり台がある。 
子供が遊び、ベンチに座った母が見守る。実に日本と変わらない光景である。 
 
 
 
ただ、一点を除いて。 
 
 
 
  
 
 
た…卓球台!? 
 
ゾーリンゲンだけに優秀なカットマンの産地なのだろうか。 
 
野外に卓球台って…雨とか風の日なんかはむしろ燃えるのだろうか。 
ヤック・デカルチャー! 
 
 
昼食はファーストフードにしてみよう。 
と、いうわけでマクドナルドに入ってみる。 
 
  
かわいいドナルド達のイラスト。 
しかし、そのすぐ左には普通のリアル赤アフロが。 
 
ハンバーガーのセットを頼む。 
オレンジジュースの量は欧米的サイズで、しかも氷は少なめ。 
しかしお値段は4.9ユーロ。に…日本円に換算したくない…っ! 
 1人でハンバーガーをもふもふしていると、 
近くのテーブルに座ってる女の子が口ずさむ歌が聞こえる。 
 
「パラッパッパッパ〜♪」 
 
あ、こっちのCMでもソレなんだ。 
 
 
メシが済んだら再び町を歩く。 
ゾーリンゲンは地球の歩き方に載っていないので、お土産の刃物を買う店は自力で探さなくてはならない。 
いや、ネットとかで予め調べとけばよかったんだけど 
刃物の町なんだからすぐ見つかるだろ〜、とタカをくくっていたのだ。 
 
30分〜1時間くらい歩いて、ようやく金物屋発見。 
刃物と火薬は男のロマン。さっそくお土産に鋏やらナイフやらを買う。 
そしたら、おまけにナイフと呼ぶにはちょいとチープな刃物をもらった。 
 
 
 
ゾーリンゲンに飽きたら一度ケルンに戻って電車を乗り換え、ライン川沿いに南下しつつバッハラッハへ向かう。 
そこには今回の旅最初の古城にして今夜の宿、シュターレック城があるのだ。 
由来などはよく知らないが、その城は現在ユースホステルになっている。古城ホテルというヤツだ。 
 
バッハラッハに到着すると、雨が降っている。 
駅の人に城への行き方を尋ねようとしたら先手を取られ、「英語は話せませんっ」って英語で釘を刺された。 
バッハラッハはこれまた非常にヨーロッパ!的な町並みで、町を囲む城壁が結構原型を留めている。 
 
 
 
さて、突然だが世の中の城には二種類ある。 
 
一つは贅を尽くした王侯貴族の生活の場。これをドイツ語でSchlos(シュロス)と言う。 
一つは軍事拠点、戦闘用の城砦である。これをドイツ語でBurg(ブルク)と言う。 
 
体験は作品にリアリティを生む。 
私が描きたいのは、この先描く可能性が高いのは、シュロスではなくブルクなのである。 
 
そんなわけで、ブルク・シュターレックは丘の中腹にある。いわゆる山城(ヘーエンブルク)である。 
 
重い荷物をぶら下げて山道を登る、登る、登る。しかも雨。 
非常につらいが、鎧をつけた騎士が城攻めする事を妄想すれば、これは実に貴重且つ重要な体験である。 
 
いや、騎士は馬に乗ってるとか考えないで。 
 
 
だいぶ暗くなった頃、体力を使い果たしたが、なんとか城に辿り着いた。 
このまま城攻めとか絶対無理です。 
 
 
しかしなるほど。RPGの勇者が最初は布の服から冒険を始めるのは 
いきなり鎧なんかつけてたら次の町にすら行けやしねェからなんですね。 
敵と闘いレベルアップしつつ、筋肉がついてきたら少しずつ装備を重くしていくんですねぇ。 
 
  
シュターレック城・城門前。橋から右を見ると貯水池が見える。 
山城だもんね。水の確保はそりゃ大事だよね。 
 
 
  
明かりのついてる窓が僕の泊まる部屋。 
今夜は二人部屋を一人で占有。但し、元々部屋が狭い。 
あと、隣のドアを開け閉めする音が響くからその度にビビる。(小心者) 
 
  
      僕の泊まる031号室のプレートにはSchildwache(シルトヴァッヒェ:歩哨)と書いてある。 
俺、歩哨っスか。 
 
 
荷物を置いたら、雨だろうが疲れていようがせっかくの城なので城内をぶらぶらする。 
すると、 
 
 
  
 
 
お前らそんなに卓球が好きか。 
 
 
自動販売機で水を買おうとするが、やはり炭酸しかない。 
いいこと思いついた。お前、俺の炭酸水をシェイクしろ。 
男は度胸。なんでもやってみるもんさ。 
 
 
 
…だめでした。 
炭酸を抜いてみたらむしろ不味さが際立ちました。 
 
あと、こっちで出会った人達も何人か言っていたが 
海外の自販機ではお札を入れておつりが出ない、なんて事がざらにあるらしい。今回は運良く出たけど。 
 
 
 
食堂でまたしても日本人と遭遇したので挨拶。今度は3人組である。 
 
 
食後は明日の予定を考える。 
ここから先は予定が崩れてもいいようにホテルの予約はとっていない。 
ここまで順調に来ているので、明日はハイデルベルクのユースホステルに泊まる事にする。 
受付の辺りにある有料ネット端末で予約をとったら今日は就寝。 
 
今日の疲れをどれだけとる事ができるのか。 
ビタレストの力が試される時が来た! 
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