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テュービンゲンには特に用はないので駅へ直行。
しかし、今日の目的地・ヘッヒンゲン行きの電車が1時間くらい先だったので
暇つぶしに本屋に入る。すると漫画の品揃えが比較的良く、ここで数冊お土産の漫画を買う事にした。
買った漫画についてはそのうち機会があったら語るとしよう。
さて、今日の目的地はこの旅のメインディッシュ、
ドイツの名城・ホーエンツォレルン城である。
なんでこの城を選んだかって?
地球の歩き方をぱらぱらめくってて、たまたま目に付いた城が
絵のように美しい戦闘用の構造だったから。
 パンフレットの表紙より、秋のホーエンツォレルン城。
円錐状の山の頂に構えた城の外観構造は
優れた防衛機能を誇示する。
電車に揺られてヘッヒンゲンへ。
但し、今回は先の失敗を生かし、荷物はテュービンゲンに置いて行く。
ところで、どうでもいいがこのあたりは-ingenっていう地名が多い。
テュービンゲンを出てヘッヒンゲンへ向かうこの列車の終点はジクマリンゲン。
地図を開けば、ジンゲン、ゲッピンゲン、プロヒンゲン、フィリンゲン。
更に先ほど駅のホームでメッシンゲン、バリンゲン、エービンゲンという名前を見ている。
調べてみたら、-ingenで終わる地名は
ゲルマン民族の移動時代に、植民者の名前からとってつけられたものだそうです。
そんな事より、そういえばこのへんは一応シュヴァルツヴァルト地方に入っていたと思う。
しかし、黒い森と言えど季節は冬。車窓の外を流れる木々は裸で踊る。
そんなこんなでヘッヒンゲンに到着。城に着く前に疲れきってもアレなので
今回もタクシーで行けるトコまで登って、そこから歩いて城に到着。

ホーエンツォレルン城・中庭。
ど真ん中に大砲がひとつ、ぽつんと置いてある。
 城から見下ろした景色。
町の点在具合がRPGっぽい。
ガイドツアーで城内を回る。
今回はマルクスブルク城の時と違って数人のドイツ人客と一緒なので、ガイドはドイツ語である。
僅かな語彙からガイドの言ってる事を理解しようと試みるが、40秒で心が折れた。
まぁ、詳しい事はわからないが、説明無しでも見ていて楽しい。
やはり撮影は駄目っぽく、城内の写真はないけど。
先ず城内に入ってすぐのホールには壁一面に樹の絵が描かれている。
樹形の節々には赤か青の円が描かれ、円の中には人名と年代が書き込まれている。
ホーエンツォレルン家の家系図である。
白い服の女の絵、犬女の紋章など、興味深い装飾を眺めつつガイドと他の客に付いて歩く。
武器庫では甲冑が展示してあった。
マルクスブルク城でも鎧が展示してあったが、あれはどう見ても展示用の贋作だった。
秋葉原の武器屋に売っているような、新品の光沢だ。
しかし、ホーエンツォレルンの鎧の汚れ具合はマルクスブルクのそれとは違う。
これは…本物なのか?過去に戦場を駆け抜けたのだろうか?
城内ガイドが終わった後、
渡されていたコインを使って地下道を見学できる。

地下道への入り口
 但し、地下道への入り口には
『あンまり整備されてなくて危険だから、入るンなら自己責任でヨロシクな!』
的な注意書きがある。
流石ヨーロッパ。日本じゃ自己責任なんて便利な言葉通用しないぜ!
そこにシビれる!あこがれるゥ!
帰りは歩いて山を降りてみる。
しかも行きで通った車道を使わず山道を突っ切る感じで。
道もよくわかってないのにやや無謀ではあるが、
ほら、せっかくシュヴァルツヴァルト地方なんだし
男は度胸、なんでもためしてみるのさ!

黒い森を彷徨う。
とはいえ、やはり冬なので森の中でも明るい。
そろそろ昼食をとっていないのがこたえてくる。
だから旅人は食えるときに食っておけとあれほど…
しばらく歩いていると、道標を見つけた。
それに従って進むと、やがて森を抜けて草原に出る。

見渡す限りのだだっ広い草原だが、人影は皆無。
この状況にテンション急上昇。
荷物を投げ出し
「イイイィヤッホオオオオオオオオオオオゥゥゥ!!!」
なんてコーラサワーっぽく叫びながら気の済むまで草原を駆ける。
走るのに飽きたら今度は草の上に仰向けに転がってみる。
草原すげぇ!なんか知らんけど草原すげぇ!
妙なハイテンションで一通り奇行が終わったら荷物を拾って草原の向こう、次の町を目指す。
気分はすこぶるRPG。
 草原から見えるホーエンツォレルン城。
結構歩いたじゃないか。
 丘から見下ろす町。
盗賊が村を襲撃する時ってこんな感じなのかな。
この町の名前もわからないが、辿り着きさえすればなんとかなる。
バス停を見つけて最寄駅まで。
そしてテュービンゲンに帰還し荷物を回収、ここで次のルートを駅の便利マッシーンで検索。
すると、明日の目的地はフュッセンまでの乗り換えポイントにウルムがあった。
出国前はノーマークだった町である。
ウルムにそびえ立つ大聖堂の塔は世界一高く、
ハイデルベルクのユースホステルで会った人が絶賛していたのを思い出した。
スケジュールには1つや2つ予定外の町を回れる余裕が予め組み込まれている。ビバ・フレキシビリティ。
そろそろ日も暮れる頃なので、今夜はウルムに泊まる事にした。
テュービンゲンからウルムへ向かう途中に更にもうひとつ、プロヒンゲンなる町が乗り換え駅となる。
聞いた事のない名前である。地球の歩き方にも載ってない町だ。
ここで乗り換える電車を待ってると白人のおねーちゃんが話しかけてきた。
どうやら待っていた電車の停車するホームが変わったらしく、それを教えてくれました。
むちゃくちゃ流暢な日本語で。
ウルムにて、地球の歩き方オススメの安宿へ。
それでも72ユーロ(≒11160円)。いや、ユースホステルと比べてはいけないな。
宿を確保したら町に出て、とりあえずメシ。
駅まで歩いてケバブと水を買う。
ケバブもハイデルベルクで会った人のオススメです。
ちなみにデナーケバブ(ドネルケバブ)はドイツで人気のファーストフードらしいです。
従って、「ここまで来てファーストフードうんぬん」といった文句は受け付けません。
大聖堂前の広場、雨がぱらぱらと降る夜中に
一人ベンチでケバブを食う東洋人はドイツ人にはどう見えただろう。
ホテルに戻ったら、とりあえずテレビをつけてみる。
リモコンについてるボタンはON、OFFの他に4組の+-ボタン。
左からブライトネス、コントラスト、チャンネル、音量のボタンだった。
チャンネルを変えてみると、なんか30チャンネル近くあるぞ…恐るべし。
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