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さて、旅もいよいよ7日目、一週間である。
天気は曇り、っつーか雨。ドイツに来て一週間、なんか雨ばっかですよ。
こっちの人は少々の雨じゃ傘をささないようだけどもしかしてこれがデフォですか?
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朝。
こんな雨の中ウルムの塔を登るのは危険ではなかろうか?
いや、登るけどさ。
161.53 mを誇るウルムの塔の階段、
スタート地点の壁
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緑の字のDANKE(ダンケ)は「ありがとう」、
左上の黒字、VIEL SPAß!(フィール シュパース)は
「ゆっくりしていってね!!!」
…とは少し違って、「楽しんでいってね!」という意味。
赤字の767↑というのは、ここから始まる階段の段数だ。
決して世界遺産への落書きを認める訳ではないが、
日本人観光客とのこのセンスの差異は一体どうした事か。
なぁ?
健二&恭子の友人のK.Aさんよォ?
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風雨吹き荒ぶ頂上にてドナウを望む。
寒い!風強い!雨冷たい!高い!怖い!
塔を降りた後は大聖堂内を見学。
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平日だからか、人は少なめ。雨が強くなってきたので薄暗い。
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I am Alpha and Omega,
我はアルパなり、オメガなり、
the biginning and the end,
最先(いやさき)なり、最後(いやはて)なり、
the first and the last.
始めなり、終わりなり
ギリシャ文字の最初と最後、アルファとオメガは
聖書において永遠の存在であるキリストを指します。
ちなみにこの蝋燭は復活祭のミサで使うものらしいです。
こちらはなんだかよくわからない蝋燭群。 他の客を見ていると、ここで教会に寄付金を落として
置いてある蝋燭に火を灯し、立てるのが粋らしい。
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せっかくなのでやってみる。
50セント払い、他の蝋燭から火をもらって立てる。
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一人離れたところにポツンと立たせて
アウェー感を演出してみました。
大聖堂からウルム駅へ。
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イクテュスみたいなロゴのファーストフードチェーン店、NORDSEE(ノルトゼー)。
シーフードをメインで扱うらしく、ここではSUSHI(スシ)を売ってた。
Q.「美味しかった?」
A.「その発想はなかった」
いくらそのとき腹が減ってなくたって、
コレを目の前にして食べてみようという考えに至らない自分に呆れる。
ウルムからフュッセンに向かうには、アウグスブルクで一回乗り換えがある。
アウグスブルクへ向かうICEでハイデルベルクで会った人の話を思い出し、
アインシュタインのモニュメント見るのを忘れた事に気付く。
アインシュタインはウルムの生まれで、駅前には舌を出した彼の像があるという話だった。
今回の旅のコンセプトと関係ないからまぁ、いいかなー
と思って地球の歩き方を見てみたら、モニュメントのある場所は旧武器庫だったとか。
これは…しまった。
ウルムからアウグスブルクまで1時間、そこから更に2時間程でフュッセンに到着。
駅に着くと雪山が目に入る。
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マツダバス。
フュッセンはドイツの南の端っこに位置する町。
ということはあの雪山ってもしかして、アル…プス…?
駅から出たところで、日本人に声をかけられる。
あー、どうもー、日本人の方ですよねー、えー、私も一人旅なんですよー、
私ユースホステル使うんですよー、あー、私もそのつもりですー、それではー、よい旅をー
みたいな会話を交わして別れてロッカーへ。
この町ではコインロッカーが置いてない事を心配する必要はない。
むしろコインロッカーが埋まっている事を心配するべきだ。
何故ならドイツ・城・観光というキーワードで一般的な日本人が思い浮かべる名所、
おそらく日本人に対して最も知名度の高いドイツの名城。
それが白鳥城、シュロス・ノイシュヴァンシュタインである。
まぁ、日本では主に某Dズニーの城のモデルって事で有名なんでしょうけど。
でもこの旅ではオマケ程度の扱いの
ノイッシュヴァンシュタイン城。
荷物もロッカーに預けたし今回は歩いて行く事に。
しばらく歩くと目標を肉眼で確認。
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大丈夫、これなら歩ける距離だ! フュッセン到着時刻が既に14時。 まぁ、日の出ているうちに到着できれば良しとするか。
もうちょい歩くと別の城が見えてくる。
フュッセンのもう一つの城、ホーエンシュヴァンガウ城である。
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城の歴史としてはノイッシュヴァンシュタインよりちょっと古いハズなのに
妙に新品っぽくてチープに見えます。
道の途中、ロマンチック街道を示す看板を発見。
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に…日本語!
なんというがっかり感!!
山道を登る途中、馬車とすれ違う。
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尚、馬車のコース上には馬糞が豪快に転がっている。
いや、居座っている。威風堂々と。
おかげで結構な悪臭が漂っているが、
だがそれも中世っぽくていいじゃないか!
まぁそんなわけで到着。
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ノイッシュヴァンシュタイン城 (白鳥城)
うん。白い!
シュロスな上、世間一般的な人気がオタ心に反発するのに
それでも敢えてここを見学コースに組み込んだのは
やはりその外観に興味があったからである。
日本で言えば姫路城、
イヴァリースで言えばランベリー城である。
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中に入ってみると、今日の城内ツアーは既に終了している様子。
べ…べつに悔しくなんてないんだからねっ!
入れる範囲内で城の白さを充分堪能したら馬車で帰る。
電車程度の揺れで徒歩並みの速さ。
座ってゆっくりしていると体が冷えてくる。
寒い!汗が気化熱で寒い!
馬車は山を降り、麓の湖に停まる。
 城の麓のアルプ湖。
じゃあ奥に見える雪山はアル…プス…?
降りたら体を温める為にまた歩く。
ちょっと歩いたら、そこはホーエンシュヴァンガウ城だった。
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妙に既視感のあるチープさだな~、と思ったら、あれだ。
ラブホのチープ感だ。
いや、ラブホ行った事ないけど。
駅周辺まで戻り、ユースホステルを探す。
地図はあるが、入り組んだ場所にあってわかりにくい。
なんとか見つけ出してチェックインし、部屋に入ると2人の白人と3人の日本人がいた。
その日本人の一人は、フュッセンに到着した時に会った彼だった。
彼らに近くにスーパーがあるという話を聞き、食料を調達しに行く。
買ったのはデカいパンとりんご2つ、オレンジジュース。
部屋に戻ると電気は消えていて、白人が既に寝ていた。
しかし日本人の姿はない。
と思ったら3人の日本人は他に誰も居ない談話室でだべっていた。
僕もそこに参加し、だべりつつ夕食をとる。
考えてみれば今日は朝食と水だけでウルムとノイッシュヴァンシュタインを登ったのだった。
だから食えるときに食っておけとあれほど…。
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