第3日目 |
Saturday 1 May, 2010 |
旅人の朝は早い。 いや、まぁ、夜明けと共に起きるような日々旅にして旅を栖とするガチ旅人ではないのだけれども シェフィールドをぶらぶらできる時間帯に到着する為に早起き。朝食は車内販売でサンドイッチを買う。 シェフィールドへ向かう列車の座席。 ![]() シートの間に何故かイヤホンジャックとチャンネル、音量ボタン。 何?ラジオでも流してるっていうの!? さて、今日の目的地はシェフィールド。 イギリスでは人口第5位、刃物産業が盛んな工業都市で、 ドイツのゾーリンゲン、日本の関に並んで刃物の3Sと呼ばれている。 ところで私は岐阜県出身で、関市の刃物祭りには何度か行ってます。 前回のドイツ旅行でもゾーリンゲンを訪れました。 つまり!これで3S制覇という事ッ! いや、だからどうって事はないのですが。 10時くらいにシェフィールドに到着。 先ずは、重たい荷物を預けるコインロッカーを探して駅を歩き回ります。 ……が、ない。 Left Luggageの標はあるのに、 そこには、何も、ない。 駅員に訊いてみると、やはり現在この駅には荷物預かり所は存在しないらしい。 おいおい、シェフィールドって人口第5位の大都市じゃなかったのかい? 仕方がないので、重いボストンバッグを抱えたままシェフィールドをふらつく事に。 重い!キルトが重い! そんなわけでシェフィールドである。 ![]() シェフィールド駅前。 ![]() ![]() 駅前広場には謎の巨大金属オブジェが横たわっている。 金属加工業が主要産業って事をアピールしているのだろうか。 駅前広場を出たところで周辺の地図を見つける。 近くに商店街的なものがあるらしいので、とりあえず行ってみる事に。 1時間程ボストンバッグを抱えて商店街をふらふらするが、刃物屋らしい店は見つからない。 刃物の街なんだから金物屋ぐらいすぐ見つかるだろー、と思っていたのになかなか見つからない。 あれ、何、この既視感? 今度は駅前を挟んで反対側に行ってみる。 すると、何やら見えてくる。 あれは…観覧車? ![]() 町の中に観覧車。 まぁ、ロンドンにだってあるのだし、 名古屋の栄にだってあるんだから別に驚くには値しない…のだが、 観覧車といえば遊園地!と刷り込まれている身としては、 欧風の町中に観覧車というのはなんだか不思議な風景に見えます。 商店街の反対側では、割とあっさり刃物屋が見つかりました。 ![]() シェフィールドの刃物屋。 土産にナイフや鋏を購入。 ![]() シェフィールドのナイフ。 反りの背側が刃になっています。 店を出ようとすると、店番のおばちゃんに呼び止められました。 おばちゃん「ここで装備していくかい?」 ごめん。嘘。おばちゃんそんな事言ってない。 そうではなくて、 おばちゃん「あんた、旅人だね?」 私「ええ、そうですよ」 おばちゃん「いいか、帰りの飛行機ではナイフを手荷物に入れるなよ?絶対に入れるなよ?」 それはもしかしてダチョウ的なジャパニーズギャグを期待しているのか? というわけで用事も済んだのでさくさくと次の町へ。 まだ明るいので、可能なら今日中に次の目的地候補のティンターンかヘイ・オン・ワイへ行きたいところだが、 やはり距離があって移動時間がかかるので今夜はティンターンに近い大きめの町に泊まる事にする。 そんな条件に合う町を地球の歩き方で探してみると、あった。グロスター。今夜の宿はここだ。 地球の歩き方で宿を調べると、グロスターにはINNがあった。 INN。RPGとかで宿屋の看板としてたまに見かけるINN。 1階がパブになっていて、その上が宿泊所という 中世ファンタジー世界におけるスタンダード宿屋スタイル。それが、INN。 イイね。是非泊まりたい。 そんなわけでグロスターへ移動。さっそくINNを訪れてみる。 が、満室。まぁそうだろう。人気っぽいからな。33室しかないしな。それは仕方ない。 仕方ないので、地球の歩き方に載っている他のホテルへ行ってみるも、これも満室。…これはまずい。 だが、まだだッ! 旅人の頼りは地球の歩き方だけではない! まだ時刻は15時頃。今こそツーリストインフォメーションのお世話になる時であるっ! ツーリストインフォメーション。 それは外国人旅行者向けに観光情報、地図などの案内を提供してくれる旅人の心強い味方ッ! 心強い味方ッ…ではあるのだが私は今回が初めての利用でして、 というのも、まぁ、その、コミュ障気味のチキンハートユーザーとしては こんな状況にでもならなければお世話になりたくなかったんですよ…。 そんなわけで、入り口前で10分くらいウロウロして覚悟を固める。 本当はあと1時間…いや、せめて30分くらいは考え得る限りの問答をシミュレートしたいところだが、 そうしている間に案内所が閉まったりしたらとても困る。 ![]() バクマン。の静河くんを他人事と思えない人なら、この気持ち、きっと解かってくれるよね!? そんなわけで、覚悟不充分だろうがなんだろうがレッツ進入、 はたらくおねーさんにおしえてプリーズ! 私「このあたりで宿ありませんかね?」 おねーさん「どんな宿をお探しですか?」 私「え!?っと……」 その質問はさっきの10分で想定内でした。 しかし、どれだけシミュレーションをしたところで、 話しかけた瞬間一度頭の中は真っ白にリセットされるので どうしても会話はスムーズにはいきません。 まぁ、やはりついさっき考えてある事なのですぐに思い出して答えられますが。 私「…ち…ちーぷわん、ぷりーずっ」 そうして教えてもらったのが徒歩10分くらいの所にあるゲストハウス。 ゲストハウスというのは要するにバックパッカー向けの安宿である。 お値段実に£30。朝食付きで£30。個室なのに£30。 日本円にして4000円くらいだというのに、なんかもう至れり尽くせり。素晴らしくブンダバーであるっ! ![]() 今回利用したゲストハウス「LULWORTH GUEST HOUSE」 チェックインが済んで、荷物を降ろしたらグロスターについて少し調べてみる。 地球の歩き方に載っているこの町の見所は唯一つ、グロスター大聖堂。 ハリー・ポッターの撮影で使われたのだそうだが、 ハリー・ポッターについては原作派なので、あまり私の琴線には触れなかった。 が、宿でのんびりするにはまだ日は高いし、宿にいても夕食は出てこない。 せっかくなので行ってみる事にする。 大聖堂に向かう途中、ツーリストインフォメーションでもらった地図を参考にグロスターの町を見物する。 地図をよく見ると、大聖堂への経路の途中で気になる字を見つけた。 「Greyfriars Ruins and Garden」 ルーイン。廃墟である。 そう、廃墟。こういうのが見たかったんだよ! ![]() Greyfriars Ruins and Garden やはり廃墟は素晴らしい。滅びの美学ってやつだよね! まぁ、明日たっぷりと見る予定なんだけど。 ![]() で、グロスター大聖堂に到着。 閉館までもう1時間もない。でも見る。 ![]() 入ってすぐのところに謎の箱と注意書きが。どうやら 『入場料は取らないけれど、写真とか撮るんならお金払ってよね。 最低£5くらい。カードも可。』 と、言いたいようです。 が、財布に£5紙幣がありません。小銭の総額も£5には届きません。 もちろん両替機なんて気の利いたものなどあるはずもなく、 仕方ないので「釣りはいらねぇぜ」と言いながら£10紙幣を寄付ボックスに突っ込んで中に入っていく。 グロスター大聖堂は、本来は修道院の一部として900年程前に設立され、 16世紀のヘンリー8世による修道院解散以後に、英国国教会のグロスター教区教会となった歴史があります。 入ってすぐ、なにやら聖歌を歌っていたのでしばし座って聴き入ってから、あまり時間もないのでさくさくと見学。 大聖堂から出ると時刻は18時頃。雨とか土曜日とかの要因もあってか、 それなりににぎわっていた大通りが既に閑散としていて、商店も半分以上閉まっている。 雨が降りつつも、空はこんなに明るいのに。 そんな中開いていた店 ![]() 99ペンスストア。店内の商品すべて99ペンス。つまりはSHOP99。 ところで、 「伊達に安くはありません」って絶対良い意味じゃないよね。 夕食には、食べられる英国料理として有名なフィッシュアンドチップスを買い、宿に戻って食べる。 ![]() 比較対象のストロベリーフレーバーボルヴィックは普通の500mlペットボトルサイズ。 決してペットボトルが小さいのではない。 あまりのでかさに、食べる事に疲れてしまった。 |
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